宮城蔵王 森の家
美しく、きれいに年を取る窓
木製サッシと聞いて多くの人が懸念すること。それは自然素材ならではの耐久性ではないでしょうか。木製だから長持ちしないのでは?使っているうちに建て付けが悪くなるのでは?そんな不安をきれいに払拭してくれるのが宮城県蔵王町にある「森の家」です。いまから16年前、両面の大開口に夢まどを採用されたこの家は、住み手であるご夫婦が注がれた愛情に応えるかのように、一年一年美しく年を重ねてきました。では、サッシの状態は?ご本人にうかがってみましょう。
USERS VOICE
お客様の声
機能的な衰えをまったく感じさせない
望んでいたのは、吉村順三「軽井沢の山荘」(1962)の開放感でした。設計の先生にお伝えしたところ、イメージどおり2枚引きの大きな引き込み窓が蔵王の自然を美しく切り取る住まいに仕上げていただきました。
窓外の樹木にはヤマガラやシジュウカラなど、多彩な野鳥が毎日のように集まってきます。窓を開めていても、ガラス越しに鳥たちの生態が手に取るように分かります。逆に彼らは、そのガラスを通して北側の窓の奥に広がる木立まで見えているのでしょう。そちらを目指して勢いよく飛び立った数羽が誤って夢まどのガラスに衝突する事故がまれに起こります(木製のフレームが自然に溶け込んでいる証拠かもしれません)。そのお詫びというわけでもありませんが、バルコニーの手摺には野鳥たちのエサや水をいつも欠かさず置いています。
春、子育ての季節になると、手摺の上に親鳥と雛鳥が揃って降り立ち「餌の食べ方教室」が始まります。雛鳥はまだ弱々しい羽をばたつかせながら、親鳥から一生懸命食べ方を教わります。そのような光景を毎年愛おしく見つめる時間が、わが家では毎年の恒例行事になりました。
竣工から16年が経過しました。大きな窓なので心配していましたが、特に不具合もなく軽快に動いています。アルスさんが定期的にメンテナンスしてくれたおかげでしょう。竣工時に比べれば木肌の表情も落ち着いてきました。いわゆる「味が出る」という状態で、イヤな変色や腐食は見当たりません。深い軒が日光や雨水をさえぎってくれているのも、長持ちしている理由の一つでしょう。
計画時、予算の制約から「両面大開口の木製サッシはあきらめては?」という減額案が出たこともありました。でもいまは、安易に妥協しないで良かったと当時の自分を褒めてやりたい気持ちです。
Sさん(宮城蔵王 森の家・施主)
Architects Eye
建築家の視点
この窓なら、美しく年を取ってくれる
お施主さんから「イメージは吉村順三の山荘です」とうかがうと、私の脳裏にはすぐさま特大のピクチャーウィンドウを通して広がる外部への視線、鳥のさえずりと木立を揺らすそよ風の匂いが浮かんできました。
とはいえ、そのような窓を建具屋さんに製作してもらうのは断熱・気密性能の面で不安が残ります。経年による狂いも心配です。蔵王という土地は梅雨時の湿度がとても高く、冬場は少々の雪と冷たい風にさらされ続けます。結露とカビ対策も大切な検討事項です。当時はまだ全開放のアルミサッシは市販されていませんでした。さて、どうしたものか……。そんな窮地を救ってくれたのが夢まどでした。
天井高は低いところで2,150㎜からの勾配天井とし、夢まどは全高2,000㎜にしています。椅子に腰掛けて窓から外を眺めたとき、はっとできる寸法です。夢まどの先にはウッドデッキのバルコニーが、その先には軒先が。建物の存在を段階的に感じられるように軒高と軒の出を決めていきました。手摺は風景の邪魔にならないよう手摺子のピッチを1,818㎜に設定。手摺は薄く平らな270㎜幅の板で、コーヒーやケーキなどを置ける小テーブルにもなります。ようやく竣工したその日、大きな夢まどを端から端まで動かしてみると、開閉はいたってスムーズ、閉めたときの密閉感も想像以上で、あまりの出来栄えに思わず涙がこぼれるほど感動したものです。
これまで2度ほどメンテナンスをしていただきました。お施主さんからは大きなクレームもなく、16年経ったいまも蔵王の自然に負けない窓として働き続けています。色合いは竣工時よりもむしろ良くなっていて、「いい年の取り方をしているな」とこちらまでうれしくなります。「この窓にして本当に良かった」とお施主さんご夫婦もうれしそうに話してくださいます。毎年おじゃましていますが、バルコニーにやってくる野鳥のエピソードなどを聞かせていただくひとときは、私にとって設計者冥利に尽きる至福の時間です。
人も建物も必ず年を取ります。どうせ年を取るのであれば、美しくきれいに取る方法を考えたいものです。窓であれば、さしずめ木でつくられた、呼吸する素材が最適な選択でしょう。そこに、木製サッシ夢まどが存在する意義があり、希望があるように思います。
小林富美雄(小林設計。/宮城蔵王 森の家・設計者)
宮城蔵王 森の家
美しく、きれいに年を取る窓
木製サッシと聞いて多くの人が懸念すること。それは自然素材ならではの耐久性ではないでしょうか。木製だから長持ちしないのでは? 使っているうちに建て付けが悪くなるのでは? そんな不安をきれいに払拭してくれるのが宮城県蔵王町にある「森の家」です。いまから16年前、両面の大開口に夢まどを採用されたこの家は、住み手であるご夫婦が注がれた愛情に応えるかのように、一年一年美しく年を重ねてきました。では、サッシの状態は?ご本人にうかがってみましょう。
USERS VOICE
お客様の声
機能的な衰えをまったく感じさせない
望んでいたのは、吉村順三「軽井沢の山荘」(1962)の開放感でした。設計の先生にお伝えしたところ、イメージどおり2枚引きの大きな引き込み窓が蔵王の自然を美しく切り取る住まいに仕上げていただきました。
窓外の樹木にはヤマガラやシジュウカラなど、多彩な野鳥が毎日のように集まってきます。窓を開めていても、ガラス越しに鳥たちの生態が手に取るように分かります。逆に彼らは、そのガラスを通して北側の窓の奥に広がる木立まで見えているのでしょう。そちらを目指して勢いよく飛び立った数羽が誤って夢まどのガラスに衝突する事故がまれに起こります(木製のフレームが自然に溶け込んでいる証拠かもしれません)。そのお詫びというわけでもありませんが、バルコニーの手摺には野鳥たちのエサや水をいつも欠かさず置いています。春、子育ての季節になると、手摺の上に親鳥と雛鳥が揃って降り立ち「餌の食べ方教室」が始まります。雛鳥はまだ弱々しい羽をばたつかせながら、親鳥から一生懸命食べ方を教わります。そのような光景を毎年愛おしく見つめる時間が、わが家では毎年の恒例行事になりました。
竣工から16年が経過しました。大きな窓なので心配していましたが、特に不具合もなく軽快に動いています。アルスさんが定期的にメンテナンスしてくれたおかげでしょう。竣工時に比べれば木肌の表情も落ち着いてきました。いわゆる「味が出る」という状態で、イヤな変色や腐食は見当たりません。深い軒が日光や雨水をさえぎってくれているのも、長持ちしている理由の一つでしょう。計画時、予算の制約から「両面大開口の木製サッシはあきらめては?」という減額案が出たこともありました。でもいまは、安易に妥協しないで良かったと当時の自分を褒めてやりたい気持ちです。
Sさん(宮城蔵王 森の家・施主)
Architects Eye
建築家の視点
この窓なら、美しく年を取ってくれる
お施主さんから「イメージは吉村順三の山荘です」とうかがうと、私の脳裏にはすぐさま特大のピクチャーウィンドウを通して広がる外部への視線、鳥のさえずりと木立を揺らすそよ風の匂いが浮かんできました。
とはいえ、そのような窓を建具屋さんに製作してもらうのは断熱・気密性能の面で不安が残ります。経年による狂いも心配です。蔵王という土地は梅雨時の湿度がとても高く、冬場は少々の雪と冷たい風にさらされ続けます。結露とカビ対策も大切な検討事項です。当時はまだ全開放のアルミサッシは市販されていませんでした。さて、どうしたものか……。そんな窮地を救ってくれたのが夢まどでした。
天井高は低いところで2,150㎜からの勾配天井とし、夢まどは全高2,000㎜にしています。椅子に腰掛けて窓から外を眺めたとき、はっとできる寸法です。夢まどの先にはウッドデッキのバルコニーが、その先には軒先が。建物の存在を段階的に感じられるように軒高と軒の出を決めていきました。手摺は風景の邪魔にならないよう手摺子のピッチを1,818㎜に設定。手摺は薄く平らな270㎜幅の板で、コーヒーやケーキなどを置ける小テーブルにもなります。ようやく竣工したその日、大きな夢まどを端から端まで動かしてみると、開閉はいたってスムーズ、閉めたときの密閉感も想像以上で、あまりの出来栄えに思わず涙がこぼれるほど感動したものです。
これまで2度ほどメンテナンスをしていただきました。お施主さんからは大きなクレームもなく、16年経ったいまも蔵王の自然に負けない窓として働き続けています。色合いは竣工時よりもむしろ良くなっていて、「いい年の取り方をしているな」とこちらまでうれしくなります。「この窓にして本当に良かった」とお施主さんご夫婦もうれしそうに話してくださいます。毎年おじゃましていますが、バルコニーにやってくる野鳥のエピソードなどを聞かせていただくひとときは、私にとって設計者冥利に尽きる至福の時間です。
人も建物も必ず年を取ります。どうせ年を取るのであれば、美しくきれいに取る方法を考えたいものです。窓であれば、さしずめ木でつくられた、呼吸する素材が最適な選択でしょう。そこに、木製サッシ夢まどが存在する意義があり、希望があるように思います。
先日、この家の設計当時は製品化されていなかったスタンダードサッシ(規格品)がようやく出揃い始めたというニュースを耳にしました。コストや納期の面で手の届きやすい木製サッシが普及すれば、美しく年を取る住宅は今後ますます増えていくに違いありません。
小林富美雄(小林設計。/宮城蔵王 森の家・設計者)
| 建築種別 | 戸建住宅 |
| 設計 | 小林富美雄(小林設計。) |
| 施工 | パートナーシステム(分離発注) |
| 窓種 | 夢まどフルオーダー仕様 引き込み窓 |